奄美群島とは?

奄美群島の概要・世界自然遺産の島

奄美群島の位置、人口、行政関係など

奄美群島の位置

北方は北緯28度32分44秒、南方は北緯27度01分07秒、東方は東経130度02分07秒及び西方は東経128度23分43 秒の海域に飛石状に連なった島嶼からなる。鹿児島市から航路距離にして群島東北端の喜界島まで377km、 最南端の与論島まで594kmに及んでいる。

奄美群島の位置

有人島

奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、喜界島、徳之島、沖永良部島及び与論島の8島がある。

総面積

1,231.11km²となっており、群島のうち最も大きい奄美大島は712.35km²

気候

亜熱帯・海洋性に属し、年間平均気温は21°C前後、降水量は約3、000mmと四季を通じて温暖多雨である。また、 台風の常襲地帯としても知られている。

総人口

一時226,752人(昭24.12.31)を数えたが、その後の著しい人口流出に伴い総人口は106,033人(2020年国勢調査速報) となっている。

行政

市町村数は、復帰時(昭28.12.25)1市5町14村であったが、その後の市町村合併等の変遷を経て、現在1市9町2村と なっている。

世界自然遺産の島

奄美群島の成り立ち

奄美群島は1200万年前までは、ユーラシア大陸や日本本土と陸続きであった。このとき、陸続きだった部分から生物の渡来が始まったといわれている。

だが、その後、プレートの動きにより大陸側から引き裂かれるように離れる。マグマの動きにより東シナ海ができて次第に拡大し、数百万年をかけて現在の南西諸島の位置まで押し出されたようだ。またトカラ海峡や慶良間海峡ができたり、氷河期と間氷期が繰り返され海面が激しく変動するなどで次第に島々が孤立してゆき、現在の姿になったといわれている。

高島と低島

奄美群島には、大陸から離れて島になった標高の高い山を持つ「高島(こうとう)」と、サンゴ礁が隆起した平らな島「低島(ていとう)」がある。

高島は、奄美大島、徳之島で、高島には常緑広葉樹の広大な天然林があり、多くの固有種が生活する。

奄美の森ではイタジイ、カシ類、タブノキなどの巨木が樹冠を覆い、林内は湿度が高く着生植物が多く育っている。また、森から流れでるきれいで栄養に富んだ河川は、河口部にマングローブ林を発達させるなかで、多くの固有の動植物を育て、奄美群島のなかでも特異な自然をもっている。

低島は喜界島、沖永良部、与論島で、隆起サンゴ礁の島。海水面の変動により、地上に現れたサンゴ礁の石灰岩は、平らな島の基礎になるもの。石灰岩は少しずつ溶け出して、ドリーネや鍾乳洞、地下の川(暗川くらごう)を作っている。

奄美群島の自然と世界自然遺産

奄美群島は、黒潮の流れに取り巻かれるように位置しているため、年平均気温は約21度、水温は約24度と暖かく亜熱帯海洋性気候に位置付けられている。また、季節風により年間約3、000ミリもの降水量があり、温暖で湿潤な気候のなかで、大陸から離れて島々で生き残った生物たちは、独自の進化を遂げ、特に高島の奄美大島と徳之島では、世界的にも稀に見る固有種や希少種の生物が数多く生息することとなった。

こうした生物の多様性が評価され、2021年7月に奄美大島と徳之島は、沖縄県北部と西表島とともに世界自然遺産に登録された。

解説/ホライゾン編集室

  • facebook
  • twitter
  • line