物語の島

諺・教訓

奄美のことわざ集

奄美では、暮らしのなかで培われてきた教訓を口づてに子や孫に伝えてきた。ことわざは地域によって少しずつ表現や発音の違いがあるが、現代に通じるものが多い。その一部を紹介しよう。

(奄美・琉球諸島で話されている地域の伝統的な言語・方言は、2009年2月に「ユネスコ世界危機言語地図」(UNESCO Atlas World’s Languages in Danger)に消滅の危機に瀕した言語として記載された。)

物事(むん)ぬ知り果てや無(ね)ん

大意;生きているかぎり物事を知り尽くしたということはない。人間は一生涯勉強である。

童(わらべ)の先と作物(むんづくり)ぬ先やわからん

大意;子供の将来と、農作物の出来は予測がつかない。現在を見て判断してはならない。

健康(どぅくさ)どぅ宝

大意;健康こそ幸福の源。

花なれば匂い枝ぶりやいらぬ姿(なり)振りやいらぬ人(ちゅ)や心(こーろ)

大意;花であれば枝ぶりよりも高雅な匂いがあるものがいい。人間もすがた形よりも心が大切。

水(むじぃ)や山うかげ 人(ちゅ)や世間(しけん)うかげ

大意;水があるのは山の木々のおかげで、木があるのは水のおかげ。人間も一人では生きていけない。多くの人から知恵や力を授かっていることを感謝し、自分が何に役立つかを考えなさい。

家(やー)慣れが外慣れ

大意;家庭での日常のしつけや習慣がはそのまま外に表れるもの。家できちんとしたしつけをしなさい。

心(こーろ)持ちなれや芭蕉ぬ葉ぬ広さ 松ぬ葉ぬ狭さん心持つな

大意;心持ちは芭蕉の葉のように広く持ちなさい。松の葉のように狭い心でいてはならない。

言った言葉は飲み込むことはできない

大意;一度口からでた言葉は取り返しがつかない。話をするときは、相手の身になって。

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