独特の文化
闘牛の島
奄美の闘牛は古くから農閑期の娯楽として生まれたが、現在、この風習が残っているのは奄美群島では徳之島だけとなった。徳之島では闘牛を「牛なくさみ」ともいい、「牛で慰める」ことが由来といわれる。島の闘牛の特徴は、スペインのものとは違い、牛と牛が角を付き合わせて戦い、逃げたほうが負けとされる。闘牛大会には、勢子(セコ)や、牛主、家族や親戚、観客が一体となって応援し、勝つと太鼓やラッパを打ち鳴らして、喜び踊る光景がみられる。
闘牛の民謡として作られた「ワイド節」(坪山豊作曲、中村民郎作詞)は、奄美群島はもちろん、沖縄の闘牛場においても人気がある。
徳之島では、現在、1トンもの巨体の牛を含む約400頭の闘牛が飼われ、年20回前後の闘牛大会が島中で開催される。ランクには、全島一、中量級、軽量級、ミニ軽量級のクラスがあり各級年、3回タイトルマッチを行っている。
闘牛は若い世代にも根強い人気で、闘牛を育てるのが夢という若者も多い。闘牛農家では我が子のように手入れをし、散歩や海岸での足腰のトレーニングも欠かさない。
解説・写真/ホライゾン編集室