独特の文化
奄美大島の相撲文化
奄美大島では、各集落や学校の校庭などにも土俵があり、男子は一生に一度は回しをつけるといわれるほど、相撲文化は地域に根ざしている。特に年中行事に色濃く反映され、十五夜の豊年祭では、力士が「スモー、スモー」と言いながら集落を回って祭の始まりを知らせたり、奉納相撲や敬老相撲の取り組みのほか、健やかな男児の成長を願う新生児の初土俵や、歌にあわせて、力士たちが勇壮に土俵で歌い踊る「相撲甚句踊り」を行う集落もある。
小さいころから相撲に親しむ土地柄なので、奄美の島々から大相撲の力士になるものも多い。特に、歴史に残っているのは、昭和34年に第46代大相撲横綱になった朝潮太郎だ。鹿児島県下ではいまだにこれに勝る力士は出ていない。
写真・解説/ホライゾン編集室