奄美の海の生物たち

奄美の海洋生物たち

奄美大島では、西側を北上する暖流である黒潮の影響で、世界的にも高緯度にサンゴ礁が形成されている。サンゴ礁を造り上げるサンゴは、白化現象やオニヒトデの大発生により大きなダメージを受けたが、現在は回復が進み、多くの海洋生物を育んでいる。サンゴを隠れ家として利用する魚、サンゴに卵を産み付ける甲イカ(コブシメ)、サンゴ礁でみられるブダイの仲間は、方言でエラブチと呼ばれ、食用にもされる。これらは付着藻類をサンゴ岩ごとかじって食べて砂を吐き出す。吐き出した砂が砂浜を作り、オカヤドカリやスナガニの住みかとなり、ウミガメ類の産卵場所にもなる。

サンゴ礁(写真/興克樹)

ナンヨウブダイ(写真/興克樹)

コブシメ(写真/興克樹)

オカヤドカリ(写真/浜田太)

奄美大島の海岸線は非常に入り組んでいて、外洋に面するサンゴ礁だけではなく、岩礁域やマングローブ域、内湾や海峡など多様な環境がある。それぞれの環境に適した生物も多様性に富み、毎年のように新種の生き物も発見されている。大島海峡では2012年に砂地の海底に円形で幾何学模様の産卵床を作るアマミホシゾラフグが発見され大きな話題となった。産卵床はその形状からミステリーサークルとも呼ばれ、多くのダイバーが観察に訪れている。

スナガニ(写真/浜田太)

アマミホシゾラフグがつくるミステリーサークル(写真/興克樹)

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