奄美の海の生物たち

来島するザトウクジラ

夏の間はロシアのカムチャツカ半島周辺海域でオキアミや小魚を食べて過ごすザトウクジラは、冬に繁殖や出産、子育てのために奄美群島に来遊する。体長は12-14m、体重は20-30tにもなる大型のヒゲクジラの仲間で、大きな胸ビレが特徴だ。来遊頭数は年々増加傾向がみられ、陸上や船上からのホエールウォッチングが盛んに行われている。海面で呼吸をする時にはブローと呼ばれる噴気が3-5mも上がり、発見の手がかりになる。時にはジャンプするように海面から跳び出すブリーチングや尾びれを激しく海面に叩きつけるテールスラップなど迫力のある行動がみられる。繁殖海域では、オスはさまざな鳴き声を組み合わせたソングと呼ばれる歌を歌うことがある。また、島陰でのんびりと過ごす親子クジラに出会うこともある。近年では、海面からシュノーケリングで水中のクジラを観察するホエールスイムが人気を集め、多くの参加者を魅了している。

ザトウクジラブリーチング
写真/興 克樹

ザトウクジラの親子
写真/興 克樹

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